絵画を描く、作品を制作するうえで、絵筆は作業ツールです。ビギナーは、良質な絵筆、高級な絵筆なら良い絵が描けると思うかもしれませんが、作業にあった最適な絵筆が何なのか理解していなければ、費用がかさんでいくだけです。
油絵、水彩画に共通の硬めの絵筆の特徴
油絵、水彩画の両方に使用できるように作られた硬めの絵筆があります。硬めの絵筆は、その質感がキャンバスに表れ、力強いラインを引くことができます。逆に柔らかい毛質の場合、ぼかしたり曖昧な境界を引くときに役立ちます。油絵は、塗料自体が重いため太い、厚い毛を必要とします。アクリル系の塗料は柔らかい反面、さらに太めの毛だと表現力が増します。
アクリル画の絵の具には、そのために作られた合成ブラシがあります。水彩画や、油絵の絵筆よりも耐性があり、筆の形状を維持できますので、初心者はあえて硬めの絵筆を選択するほうが思い通りの絵を表現できるでしょう。
高価な絵筆は、それだけ天然の毛質だということです。天然繊維は、塗料を良く吸収する反面、水分が多いと塗料が薄くなりすぎるため、湿度管理が難しいです。
絵筆の各部の名称

ハンドル
絵筆を持つ部分、通常は、ニス塗りの木材が使われますが、プラスチック製のものもあります。長さが短いか長いかで、重心が変わりキャンバスに載る塗料にも違いが表れます。どこを持つかしっくりくる部位がわかるまで、初心者には短めのハンドルがおすすめです。
毛、ヘアー
塗料を付ける毛の部分です。天然または合成のブラシがあります。良質で高価なブラシは、毛が分散されて均等な広がりをしています。保存方法に気をつけないと、毛が全て脱落することがあるので、注意しましょう。
フェルール
ハンドルと毛を繋ぐジョイント部分です。金属でできており、ブラシをホールドすることと、毛の分散を整えます。高価な絵筆のフェルールは錆びることがありませんし、脱落しないようにしっかり支えてくれます。
ヒール
フェルールの一部であり、毛の根元を圧迫し支える部分です。
クリンプ
ハンドルとフェルールを接続する部分のことを言います。
トー
ブラシの先端部で、毛が終わる部分を表します。キャンバスに軽く触れることで、細いラインを入れたり微妙なアクセントをつけたりします。
ベリー
トーの逆にブラシの主要な毛の部分を指します。広い面積を塗るときや、はっきりとした線を引くときには、ベリーを使用します。